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Concept

設計理念

家族の空間・感性のある空間をデザインする
 私たちは、一人ひとりのお客様の個性を尊重し、その生活にあったデザインをお客様と一緒に創りあげていきます。家づくりに対するお客様の想いを可能な限り引き出しオリジナルな建築空間を提案することが重要と考えます。

 建築設計にかかわり、早くも30年の歳月が流れていきました。若いころの十数年を建築家の元、大型の建築物の設計にかかわり修行を積み、設計士の志の根底を学びました。その後の十数年を住宅の設計に費やしました。注文住宅を150棟ほど設計させていただきました。その中でも自分自身が住みたい家とは、どのような家かを考えるようになりまた、自分の住みたい家でなければお客様にお勧めすることはできないのではないかとも考えるようになりました。

  私の住宅建築に関する経験を、お客様の個性にプラスし、お互いの思いの詰まった唯一無二の住宅空間を提供することを目標とします。

光と影 明と暗 移りゆく時間を詩情的に創る家

 光と影・明と暗の対比する空間は、通過するときに受ける印象の変化を与えます。この変化が淡白な空間を通り過ぎるときよりも、時間の経過は同じであるのに、移動の感覚・奥に入るという認識をより感じさせると思うのです。

この認識を使うことにより、空間の移動と場所が変わることの印象を強く感じさせ、より深みのある、奥行きのある強いては広がりのある空間を演出することができるのではないかと考えます。

 個人的な感覚かもしれないのですが、家という空間は安堵の空間と捉えています。仕事や学校などで日々、外へと出る方がほとんどと思います。外の空間は、慣れているとはいえ緊張が伴うものです。外から家へ戻ったとき、ほっとする感覚はないでしょうか。それが家であり家族の空間であると思うのです。

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■アプローチ・エントランス   出迎えの空間

 家に帰り着く安堵感をより感じる演出は大切なことと思います。

その日の疲れを癒してくれるような、徐々に内部空間に近づく、外の空間と内の空間をつなぐ中間地点のアプローチはより奥行きを感じさせながら、自分の空間に入ることを意識させ、また玄関をくぐりぬけた先には、受けの空間というべき、飾りだなのようなものであるとか、またはより内部への抜け空間の演出であるとか、そのような家の象徴的な空間が存在することが望ましいと考えます。

 都内の狭小地では、なかなかアプローチの距離を確保することが難しいのが現状です。敷き延であれば、かなりの距離が必然的にうまれますが、そうでない場合は色の変化と照明による明暗の差をつけながら、少しの距離の中ではありますが、アイポイントを変化させるなどの工夫をすることにより、また内部空間も連続させることで、時間の経過を生み出すことが可能と思います。

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■リビング・ダイニングルーム

 家族がもっとも長く交流する空間であるリビングダイニングは、どのような空間であるべきでしょうか。活動的な明るい光はリビング空間には不可欠です。すべてを明るくという空間もよいと思いますが、ダイニング空間は落着きを重視しリビングと間逆な暗の空間とすることも面白いのではないでしょうか、もちろん調理に必要な照度は確保します、レストランのような、カフェのようなリビングとの対比空間とすることもできます。また昼は明るく、夜は照明による演出をして、落ち着いた空間に暗転させることもできます。

 窓に映る景色も演出のひとつとなります。広い庭やバルコニーに面すれば、そのまま外部の景色を取り込むこととなりますが、そうでない場合は樹木の陰をスクリーンに映しこむように配置することもあります。太陽光は刻一刻と影を変化させます、その変化を取り込む装置としての窓もありえると思うのです。

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設計事務所と工務店のコラボレーション

何故、設計事務所と工務店のコラボレーションが必要なのでしょうか。この答えには、日本の家づくりの方法について考えなくてはなりません。

 おおきく家づくりの方法は3つ挙げられます。

1つめが、住宅展示場に行きいくつかのハウスメーカーと商談そして、1つのメーカーに絞る。もちろん悪いわけではありません。安定した企業、多数の施工実績をほこります。ただしここで扱われるのは、建築空間ではなく商品です。営業マンが商品の説明を行い、仕様をチョイスし組み立てられます。どこか車を買うことに似ています。保障も長期にしっかりとし画一的安定的デザインをお好みの方には最良の選択といえるでしょう。

万人にうける中間的とでもいえるデザイン。不可はとにかくない、面白みにかける。こういったハウスメーカーでは手間のかかる無垢材の施工を敬遠します。もちろん扱いはしますがコストがおおきくかかります。また、大型展示場にいくつも出展しているため宣伝コストが莫大にかかり、大量購入で仕入れ値は安くともその分を完全に食ってしまっている状態です。

 2つめの方法は、工務店にお願いする、コスト的にはもっとも低くおさえれる方法ではないでしょうか、しかしながら2つの問題が考えられます。ひとつは、専門家ではない施主がどういった基準で工務店の良し悪しを判断するかです。素人判断では、どうしても本質までは見抜けないかもしれません。もう一つは、空間デザインに長けた設計士が存在しないということです。造ることには長けていてもデザインすることが不得手な存在です。

 3つめの方法が、設計事務所がデザイン担当、工務店が造る、それぞれの得意分野を担当するということとなります。大型施設の建築では当たり前のように特に公共事業では設計事務所と工務店(ゼネコン)を分離します。設計事務所には工務店を監理するという役割があるからです。第3者の立場で施主の代理人として専門知識を活用し建物を最良に導くという使命があるのです。

ただし要注意は設計事務所と工務店の信頼関係ができているか否かです。この関係が築けていないと、何か問題が発生したとき、お互いに罪をなすりつけあい収集がつかなくなってしまいます。

施主の個性があり、それを引き出したったひとつの空間をつくれるパートナーの存在が必要です。また、それを無から有のものに作り上げる施工者が必要です。

 何事にも見極めが必要ですが、私がお勧めしたい自然の素材をスタイリッシュに造るには、万人うけのハウスメーカーではなく、空間デザインのできない工務店でもなく、設計事務所のデザイン能力・監理能力と工務店のつくる力量、このコラボレーションが大切だと思うのです。

 デザイン担当の設計事務所・作り手のまじめな工務店で家をつくる 宣伝費や営業マンだらけの高経費率の家づくりではなく、より実になるコストパーフォーマンスの高い家づくりが求められる時代ではないでしょうか

 家づくりには3者が必ず必要です。

もちろん施主、つぎに家を設計する設計士、最後にそれをつくる作り手・施工者です。

この3者の息がぴったり合うと、それはもう愉しい家づくりとなります。最初から設計士と作り手の信頼ができていなければ、より良い輪はできません。この3者の輪が家を、建てるという行為にはたいへん重要なのです。

是非家づくりをお考えの方には、この輪の大切さを感じていただき、それを大切にすることをお勧めいたします。

無の状態から空間を生み出していく作業にはこの輪が必要不可欠なのです。

これが私の建築経験の25年目の結論となります。

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